２０１５年如月慌ただしく逃げていく二月。まさにそのような過ぎ方でした。
たくさんの情報が、空中も飛び交っているのかと、電線の見えない空を見上げながら思うのです。
そして祖父母の時代、父母の時代から考えると、私たちの暮らしの中での判断が、丹田に力の入っていない
上滑りなものばかりになっているように感じられます。
情報などというものに左右されて、交渉らしいこともできず、独りよがりの判断を全体に押し付けていく。
危ない危ない。どうしても二月は雪の思い出が甦ります。それは父がたった一度だけ東京の墨田に暮らしていた頃に
寄った時のことばでもあります。
「あの年の東京も雪が多かった」でも、同じ東京生まれでも義母には父の言った含みが伝わらなかったのを思い出します。
そんな訪問からも、もう３０年経って、二月の思い出は積み重なりました。
あの頃の父の年齢は超えてしまったけれど、誰かに伝えられることをきちんと語る事は学んだでしょうか。
確かに、心に響くお話を繰り返してお聞きしました。菅野栄子さんが今の心情を語ると、皆がこころを打たれるのです。
そして、被災者が置かれている状況が、そのままにしておいてはならないと。
その背景にあることは、昭和初期の雪の春とどう変わったのでしょう。
これからを、私たちはどう創っていくのか。見えているでしょうか。
そうなのです。二月は味噌仕込みに、鹿肉の捌きに、薪の作業。楓の生態の不思議も面白かったです。
それらが落ち着いて、やっと母の遺した手帳の日付を追ってみますが、なんとたくさんの問題に関わっていたのでしょう。
どのように、あの頃の母の在り方を説明できるでしょう。
