２０１６年卯月

　
　思えば、この四月も瞬く間に過ぎて行きました。

　ゆっくりした暮らしができるはずと大都会は離れたはずが、却って移動が負担になる時間と距離。
それでも、だんだん現在の住いへの訪問者も増えて来て、それはそれなりに忙しいのです。
庭もなんだか大混雑になっています。
　山野草に家庭菜園、果樹や花々。麗しの四月は、また木の芽時でもあるとか、いろいろな揺らぎの連絡も行き来します。
　自分でも気力も体力も、少し鍛えないとならないと思います。
「無縁の地平」を書き始めてからずっと、前かがみの姿勢で、眼鏡をかけて、視線は上がらないままの日々だったし、
昨年からは、病床に付き添ってやはり前かがみで、一室に閉じこもる日々を送って、自分の身体をきちんと管理してない。
　しかも、無理の利かない年齢に近づいてきたのはよくわかります。体調を整えるだけでもスローなのです。
集中力も無いのか、日常が煩雑すぎるこの時期。やらなければならないと解っている事から、ちょっと離れたいと、
庭に出て草取りも、また前かがみな姿勢。キリの無い作業になるこの季節です。
　伸びやかに、背筋を伸ばして、空を見上げていきたいものです。杞憂にとらわれる必要はなくしたい。
　空からは憂えるものは落ちてこないなら、木の芽時の揺らぎは、九州地方の地盤にも作用したのです。
余計な心配でしょうか。その断層の先にも果てにも原発のある国です。
福島での味噌仕込みは、その足で飯舘村にも行って来ました。言葉を失う除染フレコンパックの農地。
南三陸の被災地応援は、地域での循環に新しい進展が見れました。もっと賢いエネルギーを選択できるはずです。
　背筋を伸ばして、見えるもの。そして手を繋ぎ合うもの。それらとの行き来をするのが良い。
私はここに生きている。茨城の故郷からの連絡も繋がってきます。
　母の生涯を本としたことも、娘の病床に通ったことも、それは私を生かしている。


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