この場合、愛と云うのは 性愛のこと さらに 云えば、 セックス行為そのもののことで、性行為と云うのは、
男性が性器を勃起させて、女性性器の中に挿入することです。 勿論 これに関しては 愛 または性行為
というものが それだけではないと云う反論があると思いますが、ここでは一つの目安としておきます。
男性ホルモンは まず人間に能動性をもたらすと云います。とくに性行為において 能動的なのは男性または
オスです。では女性またはメスが、全然 能動性がないのか？と云うとオスの能動性を引き出す役はメスの方に
ある訳で、メスの匂いのする薬品をつけておくと本当のメスでもないのにオスがむらがって来ることで分ります。
そして人間以外の生物には交尾期があって、その交尾期以外に性行為は行はれません。それは年に１回か
２回、下等（？）な動物で一生のうちただ一度だけと云うのが普通です。（そして その一度の恋でそのオスは
命が燃え尽きて、死ぬのです） 従って、人間以外の動物と人間の性行為の持つ意味が大きく違うのだと云う
ことが分ります。つまり人間以外の動物の性行為は純粋に子孫を残すことのみを目的としていますが、人間の
それは必ずしも子孫をつくることを目的として居ません。
現在、人間は必ずしも性行為をともなはなくても子孫を作る技術。つまり試験管ベイビーとか、他人の卵子を
もらって子供をつくる。自分達以外の関係のない人の子宮だけを借りて、人工受精をして子供を作ってもらう
とかの技術を開発して来ました。
また、これらの医療技術はコムピューターと関連して発達（？）しますが、人間の医師よりコムピューターの方が
患者の診断とそれに必要な治療法などを より的確にしかも早く、ハジき出して呉れることが証明されています。
とすれば 医者や看護婦の役目はなにか？・・・・と云うことになります。医師のもっとも大事な役目は医療技術
よりも患者に会うとき笑顔で安心感を与えるとか、真夜中でも遠い雪道を往診するとか、絶えず患者から、人間
として信頼を確立して置くとかが決定的なもので、今日の日本の医者の様に顔が借金とりに見えて来るなどは
まったく問題にならないのです。
人間はなにをなすべきか？ここの討論ではとくに性に関して人間をどう考えるべきか？ 今から２０年ほど前
なら（６０年代）。CP者が結婚すると云うだけでニュースになり、TV局が取材に来たものでした。このことはCPである
ことは、いかに結婚が困難だったかを語って呉れてます。しかし これは必ずしも過去だけのことではありません。
曽って 白人の清教徒によって基礎が置かれ プロテスタンティズムを国是とする アメリカ合衆国で奴隷売買
が盛んだった頃 黒人達は性道徳が乱れていた。 今でもその名残があると云う人が居りますが、 守るべき地位も
財産もなく、夫婦が別々に売り出されたりした状況の中で、性道徳が乱れてる、と云うのはハナハダ、おっかしな
話です。
現在の健全者優先社会におかれている若いCPとくに男性CP者には、性の悩みがマツわりついています。
この性の悩みと 結婚の困難さとの間には ズレがあります。 性欲は必ずしも結婚問題とは連なりません。先述の
様に人間の性欲は必ずしも生殖とは連なりません。
しかし結婚という制度は生殖 つまり 子孫をつくり家庭をつくることを前提とした制度です。それは子孫を残し「家」
または家庭を作ることを目的として居ります。
それは 子供を育て家庭を守ると云うことが社会の仲間入りであって、社会または国家を形成するための出発点
となるからでした。 逆に云えば独身者は社会的には一人前と見なされなくても当然だった訳です。
しかし、今日 この慣習、制度が大きく崩れつつあるのを感じます。
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